産業医とは
産業医は労働者の健康管理等について専門的な立場から指導、助言行う医師を言います。健康診断とその結果に基づく指導と助言、治療と仕事との両立支援、ストレスチェク制度や長時間労働者に対する面接指導を行い、労働者が健康に就労できるよう支援を行います。
産業医の要件
産業医は事業場において労働者の健康管理等を行う専門性を確保するため、医師であることに加え、専門的な産業医学知識について法律で定める一定の要件を備えなければなりません。認定を受けるための研修が必要です。
産業医の職務
産業医は労働者の健康管理等を行う役割を担っています。労働者が50人以上の事業場では、事業者は産業医を選任することが必要です。 また、労働者が50人未満の事業場でも医師にその役割を担わせることを努力義務としています。実際には上伊那地域産業保健センターが地域の窓口となり、健康管理等に係る業務についての相談やその他の必要な援助の支援を上伊那医師会と協力して行っています。 具体的な職務としては下記の項目を行います。
①健康診断及び健康管理
健康診断の目的は、病気の早期発見だけでなく、健康面から「働いても大丈夫」という確認をするものでもあります。健康診断を実施するだけでなく、その結果を活用することで、健康診断をより意味のあるものにすることが出来ます。
②長時間労働者に対する面接
時間外労働が長くなればなるほど健康障害のリスクは高まります。時間外労働や休日労働の削減、年次有給休暇の取得等が重要となります。しかし、やむを得ない理由で長時間労働をした労働者に対しては、産業医による面接指導を実施して必要に応じて事後措置を講じることが必要です。
③高ストレス者に対する面接
2015年12月から労働者数50名以上の事業場ではストレスチェックの実施が義務付けられました。ストレスチェックの目的は、労働者が自己のストレス状態を知り適切に対応することや、職場の環境改善につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することです。
④職場巡視、作業環境の維持管理
職場の明るさ、温度、湿度、騒音など、実際に職場を巡視することで安全な作業環境であるかを確認します。また、工場内には製造現場だけでなく事務職場もあり、パソコン使用における適切な作業姿勢、連続作業時間への対応をすることで眼症状の発現を防止します。
産業医は職場巡視や面接を重ねることで、職場の皆さんが健康で快適な環境で働けるようお手伝いをしています。


産業医選任のご案内
従業員50人以上の事業所には産業医の選任が必要です。上伊那医師会には日本医師会認定の資格を持った産業医が60名所属しています。ご依頼に応じて認定産業医の情報を開示しますので、本会事務局までご連絡ください。
産業保健指導について

上伊那医師会は上伊那地域産業保健センターと協力し、従業員50人未満の小規模事業所に対する健康管理の相談、長時間労働者・高ストレス者への面接、産業保健指導を行っております。上記の相談・面接は無料で行えますので、上伊那地域産業保健センターまでご連絡ください。